31 KDDI Annual Report 2005
R&D活動
きるという独自性の高いサービスです。このサビ部分の抽出 の際、従来の技術では音楽データの鳴り始めと鳴り終わりにお いて、無音状態から急速にフルボリューム状態になるなど、 違和感のある再生となる問題がありました。これに対して、 KDDI研究所の独自技術により、スムーズなフェードイン・ フェードアウトを可能にし、自然な「着うた」再生を実現しま した。この技術の最大の特徴は、圧縮された「着うたフル」の 音楽データにおいて、圧縮状態のままで高速にフェード処理を 実現する点にあり、処理負荷の抑制を必要とする携帯電話に 適した技術です。KDDI研究所では従来から映像・音楽の圧縮 データ処理技術の研究を行い、多数の関連技術の集積を行って きたため、この着うたフルに向けた技術の開発も短期間に行え、 タイムリーなサービス導入が可能になりました。
地上波デジタル放送に向けた取組み
2003年12月から東名阪地域で開始された地上波デジタル放 送では、家庭などにおける固定受信サービスのエリア拡大が進 んでいますが、2005年末には携帯電話向けの放送サービスの 開始が予定されています。KDDIでは、かねてより携帯電話向 け放送を受信し、通信と放送コンテンツとのサービス連携がで きる通信放送融合技術の研究開発を進めていましたが、2004 年5月には日本で初めて携帯電話型の地上波デジタル放送受信 端末の開発に成功しました。
この携帯受信端末は、単に放送番組を受信するだけでなく、 EV-DOの技術的優位性
auの「CDMA 1X WIN」サービスは、パケットデータ通信に 特化した通信方式であるCDMA2000 1xEV-DOにより実現 しております。CDMA2000 1xEV-DOでは、ユーザの電波 受信状況に応じて、割り当てるデータレートをリアルタイムで 最適化しており、最大2.4Mbpsの下り方向の高速データ通信 を提供します。
更 に CDMA2000 1xEV-DOの 次 世 代 規 格 で あ る
「Revision A」(2006年中に商用化を予定)では、新たな変調 方式の採用や誤り訂正方式の効率改善により、上りと下り回線 の大幅な高速化と容量拡大を実現することが可能です。加えて、 品質保証技術により、特定ユーザに対して一定の通信品質を 確保し、双方向のリアルタイムコミュニケーションサービスを 実現したり、同報型通信技術により、複数ユーザに対する映像 等のデータの同時送信を実現し、現在提供中の音楽や映像など のダウンロード型サービスやストリーミングサービスを強化する ことができます。
独自性のあるサービスへの研究成果の貢献
(EZ「着うたフルTM」におけるデータ抽出・フェード処理技術) EZ「着うたフルTM」は、音楽を1曲丸ごとダウンロードし、再 生できることに加えて、サビの部分を抽出して着うたに登録で
地上波デジタルテレビ端末画面 ピーク速度
QoS
(Quality of Service) 対応
適用分野
下り 上り
1xEV-DO Rev. A 3.1Mbps 1.8Mbps サービスの種類に 応じたパケットの 優先制御が可能
双方向
リアルタイム通信 現行1xEV-DO
(Rev. 0) 2.4Mbps 154kbps サービスの種類に よらず、全てのパケ ットが同等にベスト エフォート 高速データ ダウンロード 1xEV-DO Rev. Aでの強化点
EZ「着うたフルTM」
KDDIの事業を支える技術・研究開発活動
KDDI Annual Report 2005 32 携帯電話の通信機能と連携させることにより様々な魅力的なサ
ービスを提供することができます。たとえば、番組出演者の詳 細情報を通信により補完的に提供したり、GPS機能を利用し て放送内容に関連した最寄地域の詳細情報を提供することも可 能となります。2004年度は、この端末を用いて、通信放送融 合サービスのための技術的な検証ならびに実証試験を実施しま した。特に三重県では、地震情報を実際の放送波に載せて携帯 電話機に送信すると共に、通信により詳細情報を提供する実験 を行い、災害時の情報伝達手段として本通信放送融合端末が有 用であることを実証しました。
また、本放送開始の前倒しが決定された地上デジタルラジオ 放送についても、2003年度末に開発したPDA型地上デジタ ルラジオ受信機を活用して、番組連動型音楽ダウンロード、ラ ジオショッピング、電子チケット、および電子クーポン等の通 信・放送連携サービスに関する実証実験を、2004年度に東 京・大阪の放送事業者と共同で実施しました。今後も、携帯電 話への実装を目指して継続して開発を行う予定です。
電子タグを使ったサービスの実証実験
電子タグ(RFID: Radio Frequency Identification)は、無線 を利用して非接触でID情報を読み取る技術で、物流や在庫管理、 流通履歴や商品情報の参照など、産業や生活の中で様々な応用 が期待されています。携帯電話は、常時持ち歩くことのできる 最も身近なモバイル機器で、どこでもネットワークに接続でき
地上波デジタルラジオ端末
電子タグリーダつき携帯電話の実験機
電子タグ実験シーン
るという特徴があります。この携帯電話に、電子タグの読み取 り装置(リーダ)を組み合わせると、ネットワーク上の様々な 情報とタグ情報を容易に連携させることが可能となり、電子タ グリーダとして使い勝手のよいシステムの実現と幅広い普及が 期待できます。
KDDIでは、電子タグリーダを搭載した携帯電話の試作機を 開発し、携帯電話と電子タグを連携させる新たなサービスの実 用化に向けて、2005年3月以降、ショッピングモールでの店 舗・商品情報の提供や、大阪での街案内サービスなど、公開実 証実験を通じた検証を進めています。また、商品の産地や流通 履歴などのトレーサビリティ情報の提供や、流通業における物 流管理やリアルタイムな在庫管理等、各種専門業務への適用を 目指すなど、事業化を見据えた技術検討を進めています。